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タロットの歴史(全5回+番外編)
- タロットは元々「占い道具」ではなかった
- なぜ大アルカナは22枚? 並び順にこめられた中世の世界観
- ゲームから占いの道具へ。18世紀フランスの神秘主義ブーム
- 愚者から世界へ。22枚が描く「魂の成長ストーリー」
- こわくない!「塔・死神・悪魔」の前向きな読み方
番外編①:タロットと占星術の深い関係(12星座・惑星に対応するカード)
番外編②:小アルカナ56枚をくわしく(数字・スート・コートカード)(この記事)
番外編③:タロット以外のカード占い10選(ルノルマン・シビラ・ルーンなど)
はじめての方は、入門連載「カード占い入門(全10回)」の第1回からどうぞ。
タロットの78枚のうち、56枚を占めるのが小アルカナです。大アルカナにくらべて地味な印象を持たれがちですが、実は毎日の悩みや気持ちを具体的に映してくれる、とても頼もしいカードたちです。
とはいえ、56枚の意味を一つずつ覚えるのは大変ですよね。そこで今回は、「スート(4つの種類)×数字」というシンプルな組み合わせで、小アルカナをぐっと読みやすくするコツをご紹介します。
小アルカナのしくみをおさらい
小アルカナは、4つのスートに14枚ずつ分かれています。
| スート | エレメント | 主なテーマ |
|---|---|---|
| ワンド(棒) | 火 | 情熱・やる気・挑戦 |
| カップ(聖杯) | 水 | 気持ち・愛情・人間関係 |
| ソード(剣) | 風 | 考え・言葉・決断・試練 |
| ペンタクル(金貨) | 地 | お金・仕事の成果・暮らし |
各スートの14枚は、数札10枚(エース〜10)と、コートカード4枚(ペイジ・ナイト・クイーン・キング)でできています。4つのスートのくわしい特徴はタロットの78枚は「5つの種類」に分けると一気にわかるでも紹介しています。
数札は「数字」で流れが読める
数札のエースから10までは、物事が始まって、育って、区切りを迎えるまでの流れを表すと考えると読みやすくなります。
| 数字 | キーワード | 流れのイメージ |
|---|---|---|
| エース(1) | 始まり・種 | 新しいことが芽生える |
| 2 | 選択・パートナー | 二つのものが向き合う |
| 3 | 成長・広がり | 形になり始め、仲間が増える |
| 4 | 安定・土台 | いったん落ち着く |
| 5 | 変化・葛藤 | 安定がゆらぎ、試練がくる |
| 6 | 調和・回復 | バランスを取り戻す |
| 7 | 見直し・挑戦 | 立ち止まって考える |
| 8 | 動き・努力 | ふたたび動き出す |
| 9 | 成熟・あと一歩 | ゴールが見えてくる |
| 10 | 完成・区切り | ひと区切りがつき、次へ向かう |
※数字の意味は、多くの解説書で使われている一般的な目安です。デッキや解説書によって少しずつ表現が違います。
「スート×数字」で読んでみよう
スートの意味と数字の意味をかけ合わせると、カードのメッセージが自然と見えてきます。ウェイト版の絵柄と一緒に、いくつか例を見てみましょう。
- カップの2(気持ち×パートナー): 2人が向かい合って杯を交わす絵。心が通じ合う、よい関係を表します
- ワンドの3(情熱×広がり): 丘の上から海を行く船を見渡す人物。計画が動き出し、世界が広がっていく予感
- ソードの5(考え×葛藤): 剣を集める人物と、背を向けて去る人たち。言い争いや、勝っても後味が悪い状況を表します
- ペンタクルの10(暮らし×完成): 家族や犬たちが集う、豊かな家の風景。家族のつながりや、受け継がれていく豊かさ
「全部の意味を覚えなきゃ」と思わなくても、スートと数字の2つがわかれば、だいたいの方向性はつかめるのが小アルカナの良いところです。
4つのスートの「エースから10まで」の物語
数札は、スートごとに一つの物語として眺めることもできます。第4回の「愚者の旅」の小アルカナ版のようなイメージです。
ワンド:情熱の炎が燃え上がり、やがて重荷にも
エースでは、雲から伸びた手が芽吹いた棒を握っています。情熱やアイデアの始まりです。そこから挑戦や競争を経て、10ではたくさんの棒を抱えて歩く人の姿に。がんばりすぎて抱えこんでいないか、という問いかけでもあります。
カップ:あふれる気持ちから、満ち足りた家族へ
エースは、水があふれ出る杯。愛情や感動の始まりです。出会いや喜び、ときには喪失を経験しながら、10では虹の下で手を取り合う家族が描かれます。心の満足がテーマのスートです。
ソード:鋭い思考は、ときに自分を傷つける
エースは、王冠をつらぬくまっすぐな剣。はっきりした考えや決断の力です。けれど、考えすぎや争いを重ねると、10では10本の剣に倒れた人の姿に。ただし遠くの空は明るくなり始めていて、「最悪の時はもう終わる」というメッセージとも読めます。
ペンタクル:小さな一枚の金貨が、豊かな実りに
エースは、雲から差し出された一枚の金貨。お金や仕事、健康など、形になるものの種です。こつこつと積み上げ、ときに分け合いながら、10では何世代もの家族が暮らす豊かな家にたどり着きます。
コートカード(人物札)4人の役割
小アルカナの中で読み方に迷いやすいのが、ペイジ・ナイト・クイーン・キングのコートカードです。まずは4人の役割をざっくりつかみましょう。
| カード | 役割のイメージ | キーワード |
|---|---|---|
| ペイジ(小姓) | 見習い・子ども | 学び始め・知らせ・好奇心 |
| ナイト(騎士) | 若者・行動する人 | 動き・前進・勢い |
| クイーン(女王) | 受けとめ、育てる人 | 思いやり・成熟・内面の力 |
| キング(王) | 責任をもってまとめる人 | 統率・安定・決断 |
コートカードは、周りにいる人物を表すこともあれば、自分の中のある一面を表すこともあります。こちらも「スート×人物」で読んでみましょう。
- カップのクイーン: 気持ちに寄り添う、思いやり深い人(または、あなたのやさしさ)
- ソードのキング: 冷静に判断できる、頼れる人(または、筋道立てて考える力)
- ワンドのナイト: 情熱のままに走り出す人(または、今すぐ動きたい気持ち)
- ペンタクルのペイジ: こつこつ学ぶ真面目な人(または、新しい勉強の始まり)
性別や年齢は、あくまでイメージです。女性の質問でキングが出ても、「自分の中の責任感やリーダーシップ」と読めば大丈夫ですよ。
小アルカナが出たときの読み方3ステップ
- スートを見る: 情熱・気持ち・考え・暮らしの、どの分野の話か
- 数字(または人物)を見る: 流れのどの段階か、どんな人や役割か
- 絵をじっくり眺める: 人物の表情やしぐさ、背景から、気づいたことを受け取る
この3ステップなら、解説書を見る前でも自分なりの読み方ができます。1枚引きで練習してみたい方は1枚引き(ワンオラクル)のやり方もどうぞ。
歴史メモ:数札に「絵」が描かれたのは20世紀から
シリーズ第3回でご紹介したように、数札に人物や場面の絵がしっかり描かれるようになったのは、1909年のウェイト版からです。それまでの多くのタロットでは、数札には杯や剣のマークが並んでいるだけでした。
ウェイト版の絵を描いたパメラ・コールマン・スミスは、15世紀イタリアの「ソラ・ブスカ」と呼ばれる、数札にも絵のある珍しいタロットを参考にしたともいわれています。今回ご紹介した読み方は、この「絵のある数札」があるからこそできるものなのですね。
絵を見ながら小アルカナを覚えたい方には、ウェイト版のデッキがおすすめです。
60ページまたは90ページの日本語解説書が付いたセット。小アルカナ56枚の意味も日本語で確認できます。
価格:3,080円(税込) (2026/11/6時点)
ショップ:mitake shop
まとめ:小アルカナは「スート×数字」で味方になる
- 小アルカナは4つのスート×14枚
- 数札はエースから10まで、始まりから区切りへの流れ
- スート×数字をかけ合わせると意味が見えてくる
- コートカードはペイジ・ナイト・クイーン・キングの4つの役割で読む
- 迷ったらスート → 数字 → 絵の3ステップ
小アルカナが読めるようになると、カードが語ってくれる話がぐっと具体的になります。ぜひ、お手持ちのデッキの56枚をゆっくり眺めてみてくださいね。
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