※この記事にはアフィリエイト広告(PR)を含みます。
タロットの歴史(全5回+番外編)
- タロットは元々「占い道具」ではなかった
- なぜ大アルカナは22枚? 並び順にこめられた中世の世界観
- ゲームから占いの道具へ。18世紀フランスの神秘主義ブーム(この記事)
- 愚者から世界へ。22枚が描く「魂の成長ストーリー」
- こわくない!「塔・死神・悪魔」の前向きな読み方
番外編①:タロットと占星術の深い関係(12星座・惑星に対応するカード)
番外編②:小アルカナ56枚をくわしく(数字・スート・コートカード)
番外編③:タロット以外のカード占い10選(ルノルマン・シビラ・ルーンなど)
はじめての方は、入門連載「カード占い入門(全10回)」の第1回からどうぞ。
前回までで、タロットが15世紀の北イタリアでカードゲームとして生まれ、大アルカナの並びに中世の世界観がこめられていたことをご紹介しました。
けれど、ここまでの話には「占い」がまだ一度も出てきていません。では、タロットはいつから未来や心を映す道具になったのでしょうか。
第3回は、タロットの運命が大きく変わった18世紀のフランスへ旅してみます。
300年以上、タロットは「ただのゲーム」だった
タロットが生まれてから300年ほどの間、ヨーロッパの人々にとってタロットはあくまで遊ぶためのカードでした。イタリアやフランス、スイスなどで、トランプのようにゲームとして楽しまれていたのです。
カードを使った占い自体は、18世紀にはすでにあったと考えられています。ただ、それはふつうの遊び用カードを使ったもので、タロットが占いの主役になるのは、もう少し後のことでした。
「タロットは古代エジプトの書だ!」という大胆な説
転機は1781年。フランスの学者アントワーヌ・クール・ド・ジェブランが、自分の大著『原始世界』の中で、驚くべき説を発表しました。
それは、「タロットは、古代エジプトの神官たちが知恵を隠して伝えた書物の名残だ」というもの。ゲームとして遊ばれていた絵札の中に、失われた古代の知恵が眠っている――という、とてもロマンのある主張でした。
同じ本には、ある伯爵が書いた「タロットを使った占い方」についての文章も載っていました。ここで、タロットと占いがはっきりと結びつけられたのです。
エジプト起源説は、のちに否定された
ただし、この説には歴史的な根拠がありませんでした。1822年にエジプトの象形文字(ヒエログリフ)が解読されると、古代エジプトにタロットが存在した証拠は見つからず、エジプト起源説は今では否定されています。
それでも、「神秘の書」というイメージは人々の心をとらえ、タロットのイメージを大きく変えるきっかけになりました。
世界で初めての「占い専用タロット」を作ったエテイヤ
クール・ド・ジェブランの説にいち早く反応したのが、パリでカード占いをしていたエテイヤという人物です(本名はジャン=バティスト・アリエット。名字を逆さに読んだものを名乗っていました)。
エテイヤは、タロットを使った占いの方法を本にまとめて出版し、さらに占いのために作り直したタロットを世に送り出しました。これが、占い専用に作られた最初期のタロットだといわれています。
カードの1枚1枚に「正位置」と「逆位置」の意味を割り当てるなど、今のタロット占いにつながる考え方も、このころから広まっていきました。
19世紀、神秘思想と結びついて広がる
19世紀に入ると、フランスの神秘思想家エリファス・レヴィが、大アルカナの22枚をヘブライ語の22文字や、ユダヤの神秘思想(カバラ)と結びつけて論じました。第2回でご紹介した「22枚=22文字」という考え方は、このあたりから広まったものです。
さらに19世紀の終わりには、イギリスで「黄金の夜明け団」という神秘思想の研究グループが生まれます。タロットは、占星術や神話などと組み合わせて学ばれるようになり、ますます奥深いものになっていきました。
タロットと占星術がどのように結びついたのかは、番外編:タロットと占星術の深い関係でくわしく紹介しています。
1909年、今いちばん有名な「ウェイト版」が誕生
そして1909年。黄金の夜明け団のメンバーだったアーサー・エドワード・ウェイトが企画し、画家のパメラ・コールマン・スミスが絵を描いたタロットが、ロンドンのライダー社から発売されました。これが、現在もっとも広く使われている「ウェイト版(ライダー版)」です。
小アルカナにも「場面の絵」が描かれた
ウェイト版のいちばんの新しさは、小アルカナの数札にも、人物や場面の絵が描かれたことでした。
それまでのタロットの多くは、数札にはトランプのように杯や剣のマークが並んでいるだけ。ウェイト版では、たとえば「カップの3」には3人の女性が杯を掲げて喜び合う姿が描かれ、絵を見るだけで意味がイメージしやすくなりました。
はじめての方にウェイト版がすすめられることが多いのは、このためです。第2回でご紹介した「力」と「正義」の番号の入れ替えも、このウェイト版で行われました。
ウェイト版の絵の世界を実際に手に取ってみたい方には、こんなデッキがあります。
ウェイト版の定番デッキ。お店オリジナルの日本語の解説小冊子と、選べるポーチが付いたセットです。
価格:2,760円(税込) (2026/11/6時点)
ショップ:タロット直輸入専門店 ヘリテイジ
1909年当時の色合いを再現した復刻版。歴史を感じながらカードを眺めたい方に。ポーチと日本語の解説小冊子付きです。
価格:3,190円(税込) (2026/11/6時点)
ショップ:タロット直輸入専門店 ヘリテイジ
デッキ選びに迷ったら、最初に買いたいタロットカード3選もあわせてどうぞ。
まとめ:タロットは時代とともに姿を変えてきた
- タロットは300年以上、ゲーム用のカードとして遊ばれていた
- 1781年、「古代エジプトの書」という説がきっかけで神秘のカードに(この説は現在は否定されている)
- エテイヤが、占い専用のタロットを作った
- 19世紀に、ヘブライ文字や神秘思想と結びつけられた
- 1909年のウェイト版で、小アルカナにも場面の絵が描かれ、今のタロットの形が広まった
遊びのカードから、心を映すカードへ。タロットの意味は、それぞれの時代の人々が新しく見いだしてきたものなのですね。
次回は、「愚者から世界へ。22枚が描く魂の成長ストーリー」をテーマに、大アルカナを一つの物語として読む方法をご紹介します。お楽しみに。
タロットの歴史(全5回+番外編)
- タロットは元々「占い道具」ではなかった
- なぜ大アルカナは22枚? 並び順にこめられた中世の世界観
- ゲームから占いの道具へ。18世紀フランスの神秘主義ブーム(この記事)
- 愚者から世界へ。22枚が描く「魂の成長ストーリー」
- こわくない!「塔・死神・悪魔」の前向きな読み方
番外編①:タロットと占星術の深い関係(12星座・惑星に対応するカード)
番外編②:小アルカナ56枚をくわしく(数字・スート・コートカード)
番外編③:タロット以外のカード占い10選(ルノルマン・シビラ・ルーンなど)
はじめての方は、入門連載「カード占い入門(全10回)」の第1回からどうぞ。


コメント